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僕たちは付き合っていると言おう

記憶に確証を持てなくなってきた。

自分のカメラロールを見ていると、アイドルやミランの選手、くりぃむしちゅー(大好き)や三島由紀夫など、様々な人の画像が保存されていた。これらの人たちに実際会ったことはないが、会ったらなにを喋ろうかなあと、よく妄想はしていた。中学生の時なんかは特にアイドルを対象としており、僕の頭の中にはもう数えきれないほどの会話パターンがあり、物語まで出来上がっていたので、もはや実際に会っているのかもしれない状態だった。それがわりと楽しかったし、救われたりもした。一応過去形にしているが、今でもたまにやる。

「昨日は僕の悩みを聞いてもらったから、今日は彼女の悩みを聞いてあげよう〜」

 

カメラロールを見ていると、実際に会ったことのある人の写真も出てくる。知り合い、友人、恋人関係だった女の子…。もうほとんどの人と長い間会っていない。おそらくこれから会うこともないであろう。あんなこと喋ったなあ、あそこ一緒に行ったなあ、と思い出ってやつがたくさんあるが、ぼくはほんとうにそれらのことを経験したのだろうか。どこかへ行った、というのは一緒に写っている写真でもあればまだ良かったが、昔は写真を撮られるが大嫌いだったので基本は無い。なにを喋った、に関しては実体がなにもない。実際にあったこととして喋っていたことも、笑いを足すためにちょこちょこ弄っていると、もうなにがほんとうかわからなくなっていった。もう長い間会っていない、そしてこれから会わないであろう人に関する記憶は、アイドルに関する記憶となんら変わらない。屁理屈を言っているように聞こえるかもしれないが、その記憶が自分に与えた影響を考えると、彼女を除くと圧倒的にアイドルのほうが大きい。記憶ってなんなんだ?「すべては虚構なのさ…」とデカダンな悟り顔で言いたくなる。

「ぼくは確かにこの女とセックスをしたはずだが、ほんとうにしたのか?実はぼくはまだ童貞なんじゃないのか?」

 

こんな記憶の問題は1年ほど前に自分の中で解決させたはずだったのだけれど…。